2019.03.06ブログ
英国式“おもてなし”アフタヌーンティーとは
イギリス発祥のアフタヌーンティーは、貴婦人の社交の場として始まり紅茶とサンドウィッチやスコーン、ケーキを楽しみながら優雅な午後のひとときを過ごすイギリスらしい文化です。
今回は英国式アフタヌーンティーの歴史的由来などをご紹介していきます。
英国貴族の女性の社交の場として始まったアフタヌーンティー
紅茶がイギリスに普及したのは、17世紀のこと。
オランダの商船が1645年頃に中国などからお茶を買い付け、
欧州諸国に販売したことがイギリスとお茶との初めての出会いです。
その後、チャールズ2世の元にポルトガルから嫁いだキャサリン王妃が東洋趣味(シノワズリー)として、
宮廷にお茶を飲む風習をもたらしました。
そして時は流れ、1840年頃にイギリスの第7代ベッドフォード公爵のフランシス・ラッセルの婦人である
アンナ・マリアによってアフタヌーンティーが広められました。
当時の食事は朝食と夕食の2回のみ。
上流階級の夕食の時間は21時以降が一般的だったのは、
19時~21時頃は観劇やオペラ鑑賞など夜の社交の時間だったからです。
そのため、アンナ・マリアは午後3時過ぎにはいつも空腹に悩まされていました。
そこでメイドにこっそりと自分の部屋に軽食と紅茶を用意させるようになったのです。
その軽食は、パンとバター、ポットに入れた紅茶でした。
それがアンナの毎日の午後の楽しみとなっていきます。
その後、友人を招待して一緒に軽食を楽しむようになったことが
アフタヌーンティーの由来と言われています。
ベッドフォードからロンドンへ住むようになったアンナは、
友人に招待状を送って女性だけのアフタヌーンティーを囲む集まりを続けたそうです。
当時、主に女性が食後に退出するためのお部屋ドローイングルームで行われるようになりました。
アフタヌーンティーは客間や居間などの低いテーブルのある空間で行われたためロー・ティーとも呼ばれました。
やがて上流階級のステイタスとなり作法やマナーも確立したアフタヌーンティー
この背景からも、現在のアフタヌーンティーのマナーは後から出来たものなのです。
アンナ・マリアが広めたと言われているアフタヌーンティーは、
1880年頃にロンドン中の上流階級の女性に流行しました。
午後3時か4時頃になると上流階級や貴族の女性達は
お気に入りのティーガウンと呼ばれたドレスに着替えてアフタヌーンティーを楽しむようになっていったのです。
そして、アフタヌーンティーはイギリスにおいて上流階級の女性たちの社交場になりました。
アフタヌーンティーが流行したヴィクトリア女王時代の1837年~1901年は、
大英帝国が最も繁栄した時代で、文化芸術も発展した時代です。
上流階級の人々は芸術文化の内面ときめ細かいライフスタイルの追求に夢中になっていました。
その中でアフタヌーンティーは一種の総合的な芸術文化としても花開いたのです。
美しい磁器、高価で上等な紅茶、色とりどりのスイーツ、
美しい旋律を奏でる古典音楽、気の置けない親友との語らいがアフタヌーンティーには欠かせないものとなっていきました。
アフタヌーンティーにはクリームやスコーン、キュウリのサンドウィッチ、
ペイストリーやケーキと共にシルバーポットに入ったインド産のお茶やセイロンティーが主に提供されたそうです。
上流階級や貴族の女性の社交として始まったため、
たくさんの作法やマナーが確立されていきました。
厳格な場のアフタヌーンティーではティーカップの持ち方や食べる順番も決まっています。
伝統と格式を重んじるイギリスらしく、
室内装飾や食器を愛でる文化や礼儀作法などの美意識と精神性を大切にするスタイルは、
日本の茶道と通じる部分があるのかもしれませんね。
ちなみに、なぜサンドウィッチにはキュウリを使ったものが定番になったのかというと、
栄養価が低く水の出やすいキュウリを新鮮な状態で食べることは、
働かなくても農夫を従えて生活できるという貴族のステイタスの象徴でもあり、
そのキュウリの出来栄えも兼ねて自慢の一つだったようです。
現代では作法やマナーは簡略化されて気軽に楽しめるアフタヌーンティー
現代において、伝統的なアフタヌーンティーは一部のホテルやレストランのイベントとして開かれたり、
個人的に簡略化したパーティーとして体験できる機会がありますが、
一般的には昔ほど堅苦しい習慣ではありませんので、最低限のマナーを守りつつ楽しむことをおすすめします。
優雅なひとときを過ごせる特別感あふれるイベントですから、
少しお腹をすかせて、スマートカジュアルなドレスコードで参加するといいでしょう。
また、最近の日本の傾向は伝統的なアフタヌーンティーの形式にとらわれず、
現代風にアレンジした斬新なアフタヌーンティーを楽しめるお店も増えています。
和を取り入れたり、パンを使わないサンドウィッチや低カロリーの素材を使ったアフタヌーンティーなど
バリエーションも豊富になりました。
紅茶の種類も豊富にありますし、シャンパンをつけたり、
スイーツも個性豊かになったりとさまざまな種類の食べ物や飲み物から選択できるようになっています。
実際にイギリスでも、シェフが英国人でないために伝統的なスタイルを知らないことも多いのか、
並べ方も違うスタイルで出てくるところもあります。
そのあたりは、あまり気にせずに・・・ということでしょうかね。
イギリスらしいかもしれません。
午後3時から4時頃から親友とゆったりとした時間を過ごすアフタヌーンティーは、
多忙な現代人にとっても、美しい音楽や食器、ティーフードを楽しみながら、
心からリラックスできる時間になるのではないでしょうか。
今回は英国式アフタヌーンティーの歴史的由来などをご紹介していきます。
英国貴族の女性の社交の場として始まったアフタヌーンティー
紅茶がイギリスに普及したのは、17世紀のこと。
オランダの商船が1645年頃に中国などからお茶を買い付け、
欧州諸国に販売したことがイギリスとお茶との初めての出会いです。
その後、チャールズ2世の元にポルトガルから嫁いだキャサリン王妃が東洋趣味(シノワズリー)として、
宮廷にお茶を飲む風習をもたらしました。
そして時は流れ、1840年頃にイギリスの第7代ベッドフォード公爵のフランシス・ラッセルの婦人である
アンナ・マリアによってアフタヌーンティーが広められました。
当時の食事は朝食と夕食の2回のみ。
上流階級の夕食の時間は21時以降が一般的だったのは、
19時~21時頃は観劇やオペラ鑑賞など夜の社交の時間だったからです。
そのため、アンナ・マリアは午後3時過ぎにはいつも空腹に悩まされていました。
そこでメイドにこっそりと自分の部屋に軽食と紅茶を用意させるようになったのです。
その軽食は、パンとバター、ポットに入れた紅茶でした。
それがアンナの毎日の午後の楽しみとなっていきます。
その後、友人を招待して一緒に軽食を楽しむようになったことが
アフタヌーンティーの由来と言われています。
ベッドフォードからロンドンへ住むようになったアンナは、
友人に招待状を送って女性だけのアフタヌーンティーを囲む集まりを続けたそうです。
当時、主に女性が食後に退出するためのお部屋ドローイングルームで行われるようになりました。
アフタヌーンティーは客間や居間などの低いテーブルのある空間で行われたためロー・ティーとも呼ばれました。
やがて上流階級のステイタスとなり作法やマナーも確立したアフタヌーンティー
この背景からも、現在のアフタヌーンティーのマナーは後から出来たものなのです。
アンナ・マリアが広めたと言われているアフタヌーンティーは、
1880年頃にロンドン中の上流階級の女性に流行しました。
午後3時か4時頃になると上流階級や貴族の女性達は
お気に入りのティーガウンと呼ばれたドレスに着替えてアフタヌーンティーを楽しむようになっていったのです。
そして、アフタヌーンティーはイギリスにおいて上流階級の女性たちの社交場になりました。
アフタヌーンティーが流行したヴィクトリア女王時代の1837年~1901年は、
大英帝国が最も繁栄した時代で、文化芸術も発展した時代です。
上流階級の人々は芸術文化の内面ときめ細かいライフスタイルの追求に夢中になっていました。
その中でアフタヌーンティーは一種の総合的な芸術文化としても花開いたのです。
美しい磁器、高価で上等な紅茶、色とりどりのスイーツ、
美しい旋律を奏でる古典音楽、気の置けない親友との語らいがアフタヌーンティーには欠かせないものとなっていきました。
アフタヌーンティーにはクリームやスコーン、キュウリのサンドウィッチ、
ペイストリーやケーキと共にシルバーポットに入ったインド産のお茶やセイロンティーが主に提供されたそうです。
上流階級や貴族の女性の社交として始まったため、
たくさんの作法やマナーが確立されていきました。
厳格な場のアフタヌーンティーではティーカップの持ち方や食べる順番も決まっています。
伝統と格式を重んじるイギリスらしく、
室内装飾や食器を愛でる文化や礼儀作法などの美意識と精神性を大切にするスタイルは、
日本の茶道と通じる部分があるのかもしれませんね。
ちなみに、なぜサンドウィッチにはキュウリを使ったものが定番になったのかというと、
栄養価が低く水の出やすいキュウリを新鮮な状態で食べることは、
働かなくても農夫を従えて生活できるという貴族のステイタスの象徴でもあり、
そのキュウリの出来栄えも兼ねて自慢の一つだったようです。
現代では作法やマナーは簡略化されて気軽に楽しめるアフタヌーンティー
現代において、伝統的なアフタヌーンティーは一部のホテルやレストランのイベントとして開かれたり、
個人的に簡略化したパーティーとして体験できる機会がありますが、
一般的には昔ほど堅苦しい習慣ではありませんので、最低限のマナーを守りつつ楽しむことをおすすめします。
優雅なひとときを過ごせる特別感あふれるイベントですから、
少しお腹をすかせて、スマートカジュアルなドレスコードで参加するといいでしょう。
また、最近の日本の傾向は伝統的なアフタヌーンティーの形式にとらわれず、
現代風にアレンジした斬新なアフタヌーンティーを楽しめるお店も増えています。
和を取り入れたり、パンを使わないサンドウィッチや低カロリーの素材を使ったアフタヌーンティーなど
バリエーションも豊富になりました。
紅茶の種類も豊富にありますし、シャンパンをつけたり、
スイーツも個性豊かになったりとさまざまな種類の食べ物や飲み物から選択できるようになっています。
実際にイギリスでも、シェフが英国人でないために伝統的なスタイルを知らないことも多いのか、
並べ方も違うスタイルで出てくるところもあります。
そのあたりは、あまり気にせずに・・・ということでしょうかね。
イギリスらしいかもしれません。
午後3時から4時頃から親友とゆったりとした時間を過ごすアフタヌーンティーは、
多忙な現代人にとっても、美しい音楽や食器、ティーフードを楽しみながら、
心からリラックスできる時間になるのではないでしょうか。